2009

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ログとして残っている日記がちょうど十年分に達した。毎日(忘れなければ)一年分掲載していこうと思う。自粛期間中の暇潰しにでもなれば幸いです。paypal良ければお願いします。この頃のサイト名は「無名の墓のために」でした。

 

 

2009/9/23
いつまでもうだつの上がらないことをぼやいて何をしたいのかと聞かれると何も無い。過去に放った無価値な一言がころころと転がって薄汚れ擦り切れ見窄らしい姿で再びわたしの眼前に現れた時、それが予想外の働きをすることがある。解答はいつでも過去にある。
 
9/28
不眠が酷くなっている。眠いのにまったく眠れない。最近、監視カメラの映像がランダムに表示されるサイトを知ったので、よく眺めている。深夜なのでほとんど誰も映ることは無い。それにも飽きたので湯を張った浴槽で目を閉じて嫌いな物を頭の中に羅列した。一日の汚れを洗い流したはずなのに身体中がべたべたするような気がして生きた心地がしない。それでも突き放さない世の中の憂き目。
古典の小テストがあると思って通学中の電車で珍しく勉強したが、あったのは英語の小テストだった。電車の窓から射すみかん色の朝日。
 
9/30
しおらしい月日、秋爽にすらうんざりする。煩わしさと悲しさの比較なんて一生出来ないだろう。他の人にとっては何てこと無い、意識しないでも行えるようなことがいつでも一大事だ。
 
10/7
台風の進路に覆われた、突風吹き荒ぶ日本列島の様子に対し、わたしの生活はすっかり安定している。普段あまりこういうことは思わないが、今年の夏はいろいろなことが身に起こった。こういう年齢ならではという感がある。そのすべてが悲しかった気も、何一つ悲しくなかった気も、同じくらいする。
 
10/9
寂しいとか侘しいとかそういった繊細さは自分には無い。当座の不幸も見当たらないのに漫然と鬱屈している。若さと季節が頭の中を最悪にする。醜さが、作り物じみた夜の帳に落ちていく。
 
10/24
右下に沈んでいく過程があまりに正しく、もはや自分の感情を識別するのすら億劫だ。発生したものを恬淡と眺める。神経の穂先が傷み、感覚が鈍麻していくのを空々しい気持ちで眺める。
 
10/29
学校から帰宅すると、母が遅い昼食をとっていた。わたしも空腹を感じたので炊飯器からご飯をよそって食べた。炊き込みご飯だった。大根の漬物を食べたら柚子の香りがした。こんなことでいちいち寂寞を覚える。
母が麦茶の入った茶碗を持って来てくれる。「最近痩せたんじゃないの」と言われる。今日は平気だったが、最近食事をしても気分が悪くなることが多いのだ。
 
11/1
朝方ようやく眠れたが二時間で目が覚めた。布団の中でうつらうつらし、十一時再び起床。寒いと呟いてぼうっとする。洗面所で顔を洗い、歯を磨く。近所の図書館でゲルニカのCDを借りる。
 
11/2
季節のせいか一日に何度も泣く。どうせ何もかもホルモンバランスなんだろうけど試しに「寂しい」と口にしたら本当に寂しくなってしまった。いろんな物事が憎らしい。鏡に映った自分の姿が醜い。今の生活を思う。明日の生活を思う。あらゆるすべてが不安だ。
 
11/4
夏のあの湿った不快な空気のうねりが消え、冬の清潔な静けさが積もって、辺りの無駄が取り払われる。不出来な脳みその中身が際立ち、目も当てられないのに、それを見ることを強制される。他でもない自分に。
 
11/12
早起きしても何の得も無い朝。食欲はあるのだが以前より食べる量が減った。今朝は味噌汁だけ飲んだ。今は毛布にくるまって久しぶりに「ナイン・ストーリーズ」を読んでいる。
もし思いついた通り、望む通りに人間らしい生活を送ればもう少しマシになるのだろうが、その分ついて回る不幸がわたしを人間的で無くすると想像し恐ろしくなる。指先から腐って発狂する。
 
11/22
午前四時。薄汚れた情緒が耳の穴からほつれた錦糸となり、するすると風も無いのに舞っている。そしてしっかり閉ざされた飾り窓の硝子の隙間を器用にかい潜り、まるで目的と意思を持った生物のように雲に隠された月を辿る。わたしはそれを見届けて、ようやく安心した気持ちで眠ることが出来る。
 
11/23
正午起床。今日こそは素晴らしい一日に、微笑んでおやすみを言える夜に、とカーテンを開いたら小雨が降っており挫ける。オムライスを作って食べる。カフェラテを飲む。「カラマーゾフの兄弟」を読む。
雨が止んだのでTSUTAYAへ。レジに持って行ったDVD五枚のうち実に三枚が十八禁で借りられず。最近は外出の折カメラを携行するようにしているが、今日は何も目星いものが見つからず撮らなかった。帰宅し、夕飯を食べ、借りて来た映画を観た。
 
12/3
冬の雨によって惨めさが強調されている。暗い色の道路を見下ろしながら歩く。自分の体が徐々に小さくなっていく。歩けども歩けどもなかなか自宅に辿り着かない。楽しげな音楽も痛々しくて気が滅入る。誰もわたしのことを知らない。
 
12/17
正午起床。読書。朝食兼昼食を食べ、ソファに座りぼんやりする。テレビでマイケル・ジャクソンの特集をやっていたので観た。晩年の彼は世界中のマスコミから馬鹿にされていたのに、死んだらこれか、と毎度思うことを思う。
 
12/24
帰宅。コンビニで買った肉饅を食べる。少しだけ眠る。起きてから鳥の下半身が焼かれたものだのショートケーキだのを食べ、炭酸の入った飲み物を飲んだ。今から志望校の過去問を解き、終わったら風呂に入る。その間にクリスマスを迎え、夜明け前に就寝、二時間ほどで起床し、サンタクロースは来ず、またいつものように学校へ向かう。
 
12/26
雄山荘が焼けてしまった。小説ではきちんと消し止めたのに。